海洋と生物の12月号に景観モザイク性について執筆しました。

景観ランドスケープ」とは、景観の要素である生態系または生息域が複数入り混じる様を言う。例えば、森林、田畑という異なる生態系が入り混じる複合景観について、伝統知を生かした生物多様性の恵みの持続的な利用の意味合いも込めて「里山景観」と呼ぶ。沿岸域でも干潟、磯、藻場、サンゴ礁などの複数の景観要素が組み合わさった景観を見ることができるが、陸と同様に生物多様性に有効な景観だろうか。

『海洋と生物』AQUABIOLOGY227号(Vol.38-No.6)ISBN 978-4-915342-76-9
● 特 集 ● 沿岸漁場における生物多様性
において、

「 沿岸における景観スケールの生物多様性 Coastal biodiversity at the landscape level」
というタイトルで、レビュー記事を書かせていただきました。

http://aquabiology.blog93.fc2.com/blog-entry-196.html

目次は以下のようになっております。

1●はじめに
2●海洋ベントスにおける景観の相加効果の事例
3●温帯における景観モザイクの相乗効果の可能性
4●熱帯域における魚類の多様性と景観の関係性
5●景観配置を介したベントスへの相乗効果
6●おわりに


主なの内容は Yamakita, T., and T. Miyashita: Landscape mosaicness in the ocean: its significance for biodiversity patterns in benthic organisms and fish. In: Integrative Observations and Assessments (Ecological Research Monographs / Asia-pacific Biodiversity Observation Network), (Shin-Ichi Nakano, Tetsukazu Yahara, and Tohru Nakashizuka eds.), Springer Japan, pp. 131–148, 2014.(https://link.springer.com/chapter/10.1007/978-4-431-54783-9_7)を、わかりやすく噛み砕いて説明したものですが、いくつか新しい事例やちょっとした解析を新たに加えて紹介しています。




ぜひご覧ください。