*文章をGANにかける際の学習データセットの作成


文章をGANによる生成モデルにかける用のフォーマットがどんなものが良いのか、少々調べたのでメモ書き。


seq2seq-attnを用いた例。
qiita.com

Kerasを使った例。
gist.github.com

雪舟 ( せっしゅう 、 1420 年 ( 応永 27 年 ) - 1506 年 ( 永正 3 年 ) ) は 号 で 、 15 世紀 後半 室町 時代 に 活躍 し た 水墨 画 家 ・ 禅僧 で 、 画聖 と も 称え られ る 。
日本 の 水墨 画 を 一変 さ せ た 。
諱 は 「 等楊 ( とうよう ) 」 、 もしくは 「 拙宗 ( せっしゅう ) 」 と 号 し た 。
備中 国 に 生まれ 、 京都 ・ 相国 寺 に 入 っ て から 周防 国 に 移 る 。

Known as Sesshu ( 1420 - 1506 ) , he was an ink painter and Zen monk active in the Muromachi period in the latter half of the 15th century , and was called a master painter .
He revolutionized the Japanese ink painting .
He was given the posthumous name " Toyo " or " Sesshu ( 拙宗 ) . "
Born in Bicchu Province , he moved to Suo Province after entering SShokoku-ji Temple in Kyoto .

http://www.phontron.com/kftt/index-ja.html#dataonlyhttp://www.phontron.com/kftt/download/kftt-data-1.0.tar.gzより

このような日本語のわかち書きについては、Mecabなどが使える
https://www.oreilly.co.jp/pub/9784873118307/appa.html

*[GIS]BISMAL MAPPERへアップロードするファイルの仕様


分布推定モデルを走らせるのに便利なBISMALですが、
BISMaL Mapper
OBISからのデータを直接追加することができません。DL後に以下のような加工をする必要があります。

Catalog Numberにユニークな値が入っている必要があります。
№ 項目名 必須項目
1 Institution Code ○:999でOK
2 Collection Code ○:999でOK
3 Catalog Number ○:レコードごとに一意の値
4 Scientific Name ○
5 Collected Date :Nullでも可
6 Locality
7 Longitude ○
8 Latitude ○
9 Minimum Depth ※
10 Maximum Depth ※

IPBES地域アセスメントのレポートがIPBES総会で公表されました。

(英文の資料)
https://www.ipbes.net/event/ipbes-6-plenary(まだ、政策決定者向け要約(SPM)以外は登録必要)
⇒更新されました!Assessment Report on Biodiversity and Ecosystem Services for Asia and the Pacific | IPBES

https://www.ipbes.net/news/media-release-updated-biodiversity-nature%E2%80%99s-contributions-continue-dangerous-decline-scientists(メディア向けリリース)
https://www.iges.or.jp/isap/2018/pdf/tt9/TT-9_3_Moriwake.pdf(守分さんによるまとめスライド)


(日本語の資料)

生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)第6回総会の結果について〜アジア・オセアニア地域の評価報告書、土地劣化と再生に関する評価報告書が公表されました〜
http://www.env.go.jp/press/105290.html

環境省の中央環境審議会における日本語での紹介資料
http://www.env.go.jp/council/12nature/y120-35/mat03_5.pdf


IPBESの総会にて、各地域の土地劣化と回復のアセスメントレポートがインフォーメーションドキュメントとして公表され、特に政策決定者向けサマリー(IPBES/6/6)が総会で議論の対象となりました。
特に協力したものが右のアジア太平洋地域のアセスメントですIPBES/6/INF/5 Asia and the Pacific 。
(SPMはこちら、https://www.ipbes.net/sites/default/files/downloads/ipbes-6-15-add.3-advance_ap.pdf
(本文もSPMの承認と同時にそれに準ずることが記載されている前提で、公表できるはずですがなぜかアジア太平洋だけまだ公表されないですね2018/8/01 https://www.ipbes.net/event/ipbes-6-plenary⇒更新されました!Assessment Report on Biodiversity and Ecosystem Services for Asia and the Pacific | IPBES
限られたページ数で網羅すること、アジア太平洋をできるだけ網羅するための査読のある文献の収集には課題も多くありましたが、これで一段落です。



なお、IPBESの取り組みについては以下などをご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/yamakita-lab/20170112/1484181691
https://www.iges.or.jp/jp/tsf/20180524.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/arp/36/1/36_13/_pdf

生態学会の画像関係、深層学習関係集会の開催

今回の生態学会では、魚や干潟から森林までの様々な分野で、学部生から情報科学の専門家、深層学習の会社の方までお招きして、以下のディープラーニングを含む画像系の自由集会を企画しました。
初日の1番始めですが、ふるってご参加ください。
http://zostera.web.fc2.com/ESJ65.html

なお、討論の時間はほとんど取れないものと思われますので、
その次の集会後の時間に予定している懇親会へのご参加もお待ちしております
(【20:30】ごろより最寄りの東札幌駅周辺で開催、当日参加を募る予定ですが、
 今から絶対参加するという方は、企画者らまで「懇親会参加希望」と書いてご連絡ください)。

3月14日 16:00-18:00 A会場 自由集会 W01
『画像認識・分類技術の生態学への応用と課題 〜特に機械学習,深層学習を中心に』
企画者:山北剛久(JAMSTEC)、岩崎亘典(農環研)、古川泰人(酪農大)

・山北 剛久(JAMSTEC・資源) 「イントロ:非専門家に普及を始めた深層学習」
・山下 倫央(北大・情報科学)「深層学習を用いた定置網内の魚種推定」
・望月 優輝(九大・理)「認識技術の生態学への適用 〜ハクセンシオマネキ個体の空撮動画からの抽出とトラッキング〜」
・堤田 成政 (京大・地球環境)「大規模リモートセンシングデータをもちいた土地被覆分類」
・三好 邦彦(株式会社 Preferred Networks) 「地理情報へのDeep Learning活用の可能性と、学習データセットに求められる要件」
・岩崎 亘典(農環研)「Webリソースを利用したDeep Learning 〜地図タイルを例として」

コメンテーター:
・土居 秀幸(兵庫県立大・シミュレーション)
・徳永 幸彦(筑波大・生命環境系)
・大澤 剛士(農環研)代読予定 古川康人(酪農大)

追伸:
その他に深層学習に関連しそうな集会を以下に一覧します。
ESJ初と思われるディープラーニングの集会が一度に多数出現し驚きました!関連集会をほぼずらしていただいたプログラム編成に感謝致します。個別の発表など拾いきれなかった集会がありましたらお許しください。

自由集会 W10 3月14日 18:15-20:15 A会場(コメンテーターの徳永さんが話します。)
AIとITの間 〜生態学者が知っておくべき5つの技術〜
ガニエ拓也,八木浩樹(筑波大・生物科学)
http://www.esj.ne.jp/meeting/abst/65/W10.html

自由集会 W18 3月14日 18:15-20:15 J会場 (演者の堤田さんと私が話します。)
「生態系機能・サービス・生物多様性の広域評価発展のためのリモートセンシング観測の役割・問題・展望−2018」
永井 信(JAMSTEC)・村岡裕由(岐阜大流域圏セ)・斎藤 琢(岐阜大流域圏セ)・奈佐原顕郎(筑波大/JAXA

・生態系サービスの時間変動が知りたい:深層学習で大量の航空写真からアマモ場を抽出する
山北剛久 、袖山 文彰、ナパクワン ワンペッチ、渡辺 健太郎、仲岡 雅裕
http://www.esj.ne.jp/meeting/abst/65/W18.html

企画集会 T12 3月15日 17:30-19:30 I会場
Exploiting digital tools to generate new insights into behaviour and ecology
Adam Cronin (Tokyo Metropolitan University), Masato S. Abe (RIKEN AIP)
http://www.esj.ne.jp/meeting/abst/65/T12.html

自由集会 W26 3月17日 18:00-20:00 H会場
ディープラーニングが革新する生態学
伊勢武史(京都大・フィールド研/JSTさきがけ), 渡部俊太郎(京都大・フィールド研)
http://www.esj.ne.jp/meeting/abst/65/W26.html

シンポジウム S19 3月18日 9:00-12:00 J会場
機械学習が切り開く新しい生態学の世界
大野ゆかり(東北大・生命科学), 河田雅圭(東北大・生命科学
http://www.esj.ne.jp/meeting/abst/65/S19.html

以上、どうぞよろしくお願いします。

防災関連の白書と展望についてのレビュー

11月の開催なので今更ですが世界防災フォーラムの際にもらった、まとまった報告書のPDF版へのリンクを掲載します。
Elsevierにレビューを委託するという方法があるのか!


Elsevier A Global Outlook on Disaster Science
https://www.elsevier.com/research-intelligence/campaigns/a-global-outlook-on-disaster-science-2017
https://www.elsevier.com/__data/assets/pdf_file/0008/538091/ElsevierDisasterScienceReport-PDF.pdf

世界防災白書 GAR 日本語版
http://www.elp.or.jp/portfolio/gar/

UNISDR Global Assessment Report
http://www.preventionweb.net/english/hyogo/gar/
https://www.preventionweb.net/english/hyogo/gar/2011/en/home/download.html

UNDP Climate and disaster resilience
http://www.undp.org/content/undp/en/home/climate-and-disaster-resilience.html

Global Assessment Report on Disaster Risk Reduction 2011
https://www.preventionweb.net/english/hyogo/gar/2011/en/home/download.html

DRRは最近EcoDRRが流行っていますが、沿岸域について熱帯を除いて、津波のような大規模災害には生物だけで対応は難しそう。あまり他所の議論を垂れ流すのも微妙かとは思いますが、地形形成や地形そのものなども含めることができるかや、陸域の生態系による防護や遊休地を考慮するかとか、多自然型の人工構造物を考慮するかどうかなどの議論を少ししたところです。

(仮)どんな海洋保護区が何にどの程度どの時空間スケールで有効なのか?そしてそれは検出できるのか?

「どんな海洋保護区が」「何に」「どの程度」「どの時空間スケールで」有効なのか?そしてそれは検出できるのか?
保護区の効果について、最近話題なので少し調べてみました。

陸域では少し前にいくつかメタ解析が出ていて、例えば、クッツェーさん、ガストンさん、チョーン(?)さんの論文だと保護区があったほうが、多様性もバイオマスもいいという結果*1

海でも同様な検討がどの程度あるのかという話が、昨今の保護区の検討の高まりとともに前々から議題に上がっています。

きちんとレビューをしたわけではありませんが、問い合わせを受けたのでちょっと検索して引っかかった程度の論文を見てみました。
まず、結論から言ってしまえば、 いくつかのメタ解析では効果がある場所とそうではない場所があり、単純にMPAの設置が効果があるわけではないようです。

では、まず、Stewart 2009 Cons Lett「Temperate marine reserves...」*2という論文です。ここでは、温帯域の海洋保護区(ここではノーテイクな場所)の効果の検討を行っています。隣接する漁獲などがあるエリアと比較して、保護区中では魚が高密度でバイオマスと種多様性の高さも認められ、海藻の密度も保護区内で高かった(魚によるウニなどグレーザー除去効果)。ただし、保護区の効果の大きさはばらついた。どの程度の数の保護区があれば定量的に保護区の効果の高さを検出できるかを調べるために、パワーアナリシスを行い、少なくとも37の大きな保護区かあれば、定量的に効果の高さを検出できることが分かった。そのため効果を定量化するにはまだ、データが不足していること、解析するスケールの問題も未だにあることが指摘できた。この結果に基づき、「今後設置される保護区が、目的を明確にして、きちんとその設置前後のモニタリングを統計的な設定の下に行い、それを統計的に解析することが重要である。」というメッセージを発しています。(その他に分類群や保護区の変数8種の特性による効果のばらつきの検討、一定レベルの保護区の有効性を検出するために必要な保護区の数の推定も行った。)。ここで実際に検討した数は24の論文、30地点です(コントロールのない研究、BACIに基づく1例の他にノーテイクとその外との比較がない研究は除く)。なお、殆どの研究は同じ場所の中での擬反復で、主な内訳は19報がダイビングのトランセクト観測、17が地中海。保護区の設置年数の中央値は23年。モニタリング期間の中央値は14年。報告の効果が検出された年の中央値は保護区設置から9.5年となっています。
(メタ解析についての参考資料 https://hosho.ees.hokudai.ac.jp/tsuyu/top/dct/metaana-j.html

次に2014年のエドガーさんらの論文です*3。彼らは、87箇所のMPAで、5つの保護区の特性(No fishing allowed(禁漁区), Well-enforced(強制力・管理の実効性), More than 10 years old(10年以上), Relatively large in area (larger than 100 km2)(100km2以上), Isolated from fished areas by habitat boundaries, such as deep water or sand.(隔離されている)のうちいくつに該当するかを検討しました。そして、バイオマスと種数へのこれらの特性の該当した数の効果を比較した結果、保護区の特性が複数があることで、効果が指数関数的に増加することを示しました。しかし、大部分のMPA(59%)は1つまたは2つの重要な特徴しか持たず、他の漁場と区別できなかったことも同時に示しています。
https://d3i71xaburhd42.cloudfront.net/81f037e7bae5b1a13cdc70bba438138cdbb8aa78/3-Figure2-1.png




そして、Gillらによる2017年の論文を追記します*4
この論文は、海洋保護区の効果について管理についての情報を433点、魚の個体群についての情報を218地点収集して、保護区の管理プロセスと、魚の個体群に対する保護区の効果と、管理のプロセスと生態系に対する効果の関係性について検討した例です。比較の結果、71%の保護区が魚の個体群に対して良い効果があるが、ばらつきが大きい。とくに、人材と資金が不足しているために、多くの保護区で効果的かつ平衝な管理が実現できておらず、人材と資金の十分な投入によって、保護区の効果が2.9倍にもなると指摘しています。この結果に基づき、「十分な投資なしの保護区の拡大は適切な保全活動の結果を導かない可能性がある。」というメッセージを打ち出しています。地域や生息地別の評価も行っているものの、調査地点の数はカリブ海およびオーストラリアの東側と地中海に強く偏っている点が気になりますが、だいぶデータの数としては集まってきており、管理体制についての情報も入れられるようになったことがわかります。

(まだ追記します。魚だけなのかとか書きたいことあります。)


*1:Coetzee, B. W., Gaston, K. J., & Chown, S. L. (2014). Local scale comparisons of biodiversity as a test for global protected area ecological performance: a meta-analysis. PLoS One, 9(8), e105824

*2: Stewart, G. B., Kaiser, M. J., Côté, I. M., Halpern, B. S., Lester, S. E., Bayliss, H. R., & Pullin, A. S. (2009). Temperate marine reserves: global ecological effects and guidelines for future networks. Conservation Letters, 2(6), 243-253. https://conbio.onlinelibrary.wiley.com/doi/pdf/10.1111/j.1755-263X.2009.00074.x https://conbio.onlinelibrary.wiley.com/doi/pdf/10.1111/j.1755-263X.2009.00074.x

*3:Edgar, Graham J., et al. "Global conservation outcomes depend on marine protected areas with five key features." Nature 506.7487 (2014): 216. https://researchportal.port.ac.uk/portal/files/568306/Edgar_et_al._accepted_ms.pdf

*4:Gill, David A., et al. "Capacity shortfalls hinder the performance of marine protected areas globally." Nature 543.7647 (2017): 665.

海岸林に画一的な植樹は適用できるのか?

海岸林の防災機能自体についてもさることながら、常緑広葉樹の高木の植樹が適切かどうかという議論もあるようです。

問い合わせを受けたので、調べたところ、以下のような事例が報告されていたので共有します。
http://www.pref.miyagi.jp/uploaded/life/204992_255858_misc.pdf

少なくとも仙台では否定的な事例がすでにあるようです。
地方の緑地計画でありがちな、潜在自然植生を無批判に盲信して一面にとりいれるのはよろしくないですね。じゃぁマツ林や広葉樹林が唯一解か、というとそうではないです。上記報告で、地域ごとの特性が考慮されているように、地域の特性を重視し全体を画一的な計画にしないことが大事という理解が良いのではないでしょうか。(そもそも海岸は撹乱がある場所なので、仮に潜在自然植生で描かれる極相林が撹乱を防いだ場合に成立しうるとしても、撹乱強度に合わせた遷移途中で維持され、異質性に富んでているほうがより潜在的な自然に近いはず。)
個人的には、自然という文言が目標があるのであれば、(そもそも稚樹の調達や土壌も含めて、植林に問題がある場合もあるので)木をむやみに植えたりせずに、もっと海浜植物群落や砂丘を大事にしてほしいと思います(飛砂とかもあるので、人が近くで生活することを重視するのであれば、目標を変えたほうが良いと思いますが。)。

ついでに言えば、特に都市域で緑地計画に草本群落が無視されすぎていて悲しいです。林を作る場合も桜ばかり植えないで、どういう林にしたいのか識者中心に地域の関心がある人と考えてほしい。

宮城県における海岸防災林の再生に向けた取り組み
―植栽樹種選定に向けた検討を中心にー
宮城県農林水産部 河野 裕
より抜粋

8 高木性常緑広葉樹の植栽について
海岸防災林の植栽樹種にタブノキ等の高木性常緑広葉樹を推す声があるが,これらの常緑広葉樹は宮城県北部のリアス式海岸域の一部には分布しているが,仙台湾岸の砂浜域では植林から数百年を経た現在も分布しておらず,クロマツと落葉広葉樹が中心の海岸林となっている。
このことは,仙台湾岸域では砂浜海岸という土地的条件と冬季には寒冷な西風が強いという気候的条件から現在の森林植生が形づくられていると考えられ,高木性常緑広葉樹を植栽し成林させることは相当な困難が予想される。
一例として,仙台湾岸域で2011年7月に植栽されたタブノキ,アラカシ等が2012年3月には,そのほとんどが褐変してしまった事例がある。写真-26,27,28

その後,2013年1月の状況は,前年に褐変したもののうち枯損を免れた樹木の中には,根元から萌芽枝が伸びているものもある。写真-31この植栽地が今後どのように推移していくか,経過を見なければ分からないが,褐変,枯損,一部樹木の萌芽が繰り返され,相当の年月を経た後,残存した樹木により森が形成されていくのではと想像される。これらのことから,一日でも早い海岸防災林の再生が喫緊の課題となっている仙台湾岸の公的な森林整備においては,高木性常緑広葉樹の植栽は取り得る手法ではないと考える。